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無店舗型性風俗特殊営業とは?デリヘルの届出制を条文で解説
デリヘルエリア編集部
デリヘルは、法律の上では「無店舗型性風俗特殊営業」と呼ばれます。営業を始める前に、事務所の所在地を管轄する公安委員会へ届出書を出す決まりになっています。
この記事では、風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)の条文をもとに、次の4点を順に説明します。
- 無店舗型性風俗特殊営業とは何か(法律上の定義)
- 「許可」ではなく「届出」である意味
- 届出書に書くこと、届出のあとに受け取る書面
- 店に課されている主な決まり
条文は e-Gov 法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000122 )の現行版から引用しています(2026-09-29 確認)。法律は改正されることがあるため、最新の条文は原文でお確かめください。
無店舗型性風俗特殊営業とは
風営法2条7項は、無店舗型性風俗特殊営業を次の2つと定めています。
一 人の住居又は人の宿泊の用に供する施設において異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する営業で、当該役務を行う者を、その客の依頼を受けて派遣することにより営むもの
二 電話その他の国家公安委員会規則で定める方法による客の依頼を受けて、専ら、前項第五号の政令で定める物品を販売し、又は貸し付ける営業で、当該物品を配達し、又は配達させることにより営むもの
デリヘルは1号にあたります。ポイントは次の3つです。
| 条文の言葉 | 意味 |
|---|---|
| 人の住居又は人の宿泊の用に供する施設 | 客の自宅やホテルなど。店の建物ではない |
| その客の依頼を受けて | 客から店への依頼が起点になる |
| 派遣することにより営む | 店は「派遣する側」。客を店に迎え入れない |
2号は、アダルトグッズなどを電話やネットで受け付けて配達する営業です。同じ「無店舗型」でも、デリヘルとは別の種別として扱われます。
「店舗型」との違い
これに対して、ソープランドやファッションヘルスのように店の個室でサービスを行う営業は、2条6項の「店舗型性風俗特殊営業」です。
| 店舗型(2条6項) | 無店舗型(2条7項) | |
|---|---|---|
| サービスを行う場所 | 店の個室 | 客の自宅・ホテルなど |
| 代表的な業態 | ソープランド、ファッションヘルス | デリヘル |
| 届出の単位 | 営業所ごと | 事務所ごと(事務所がなければ住所) |
店舗型は建物を構えるため、学校や図書館などの周り200メートルで営業できないといった場所の規制が中心になります(28条1項)。無店舗型は店の建物を持たないので、規制の中心は届出と広告になります。
「許可制」ではなく「届出制」
風営法には、キャバクラやパチンコ店のような「風俗営業」も出てきます。こちらは公安委員会の許可を受けなければ営業できません(3条1項)。
風俗営業を営もうとする者は、(中略)当該営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)の許可を受けなければならない。
一方、無店舗型性風俗特殊営業は届出です(31条の2第1項)。
無店舗型性風俗特殊営業を営もうとする者は、(中略)営業の本拠となる事務所(事務所のない者にあつては、住所。以下単に「事務所」という。)の所在地を管轄する公安委員会に、次の事項を記載した届出書を提出しなければならない。
許可は「公安委員会が審査して認める」仕組み、届出は「営業する側が決められた事項を知らせる」仕組みです。ただし、届出制だから何をしてもよいわけではありません。届出の後も、この記事の後半で紹介する決まりを守る必要があり、違反すれば公安委員会から指示や営業停止を受けることがあります(31条の4、31条の5)。
届出書に書くこと
31条の2第1項は、届出書に書く事項を7つ挙げています。
- 氏名または名称、住所(法人なら代表者の氏名も)
- 広告や宣伝で使う呼称(屋号)。2つ以上あれば全部
- 事務所の所在地
- 無店舗型性風俗特殊営業の種別
- 客の依頼を受ける方法
- 客の依頼を受けるための電話番号などの連絡先
- 受付所や待機所を設ける場合は、その旨と所在地
2の「呼称を全部」は大事な点です。ひとつの事務所が複数の屋号で広告を出すなら、そのすべてを届け出ることになります。
7の受付所は、条文上「役務の提供以外の客に接する業務を行うための施設」とされています。客が受付に立ち寄ってからホテルへ向かう、いわゆるホテヘルがこの形です。
届け出た事項が変わったときや、営業をやめたときも、改めて届出書を出します(31条の2第2項)。
届出のあとに受け取る書面
届出書を出すと、公安委員会から届出を受けたことを記載した書面が交付されます(31条の2第4項)。一般に「届出確認書」と呼ばれているものです。
公安委員会は、第一項又は第二項の届出書(中略)の提出があつたときは、その旨を記載した書面を当該届出書を提出した者に交付しなければならない。
ただし、受付所を設けると届け出た場合で、その受付所が営業できない区域にあるときは、この書面は交付されません(同項ただし書)。
交付された書面は、事務所に備え付けておく決まりです(31条の2第5項)。
無店舗型性風俗特殊営業を営む者は、前項の規定により交付された書面を事務所に備え付けるとともに、関係者から請求があつたときは、これを提示しなければならない。
条文は「関係者」とだけ書いており、誰がこれにあたるかは、この条文からは読み取れません。
店に課されている主な決まり
届出を済ませた店にも、守るべき決まりがあります。主なものを2つ紹介します。
18歳未満について
31条の3第3項は、無店舗型性風俗特殊営業を営む者に対して、次の2つを定めています。
一 十八歳未満の者を客に接する業務に従事させること。
二 十八歳未満の者を客とすること。
どちらも「してはならない」行為として挙げられています。18歳未満の人は、働く側としても客としても関われません。
広告・宣伝について
31条の2の2は、広告と宣伝について定めています。
前項に規定する者以外の者は、無店舗型性風俗特殊営業を営む目的をもつて、広告又は宣伝をしてはならない。
「前項に規定する者」とは、届出書を出して書面の交付を受けた者のことです。つまり、届出をしていない者は、デリヘルの広告や宣伝をしてはいけないという決まりです。届け出た者であっても、届け出た営業以外の営業のために広告することはできません(同条1項)。
このほか、広告を出せる場所や、18歳未満の人が客になれない旨を広告に表示することなども定められています(31条の3第1項が準用する28条5項・9項)。
届出をしないで営業した場合
届出書を出さずに営業した場合の罰則は、53条5号に定められています。
第二十七条第一項、第三十一条の二第一項、(中略)の届出書を提出しないで性風俗関連特殊営業を営んだとき。
この場合、6月以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、またはその両方が科されることがあります(53条柱書)。届出書に虚偽の記載をして出した場合も、同じ条文の6号の対象です。
まとめ
- デリヘルは、風営法2条7項1号の「無店舗型性風俗特殊営業」にあたる
- 営業するには、事務所の所在地を管轄する公安委員会への届出が必要(31条の2第1項)
- 届出の後は、届出を受けたことを記載した書面が交付され、事務所に備え付ける(31条の2第4項・5項)
- 18歳未満の人を働かせることも、客にすることもできない(31条の3第3項)
- 届出をしていない者は、広告や宣伝ができない(31条の2の2第2項)
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